5つのデジタル力
【基礎体力】

情報の使い勝手を
良くする
「情報の使い勝手」はデジタル経営における基礎体力に相当します。どんなに大きな投資をして情報システムを導入しても、現場の仕事でそれを活かすことができなければデジタル投資の意味がありません。
デジタルを活かして、魅力を伝える、社外とつながる、回転数を高める、そのためには、運動における基礎体力と同様、現場で働くスタッフが、必要なときにすぐに仕事につかえるように、情報を扱う際の非効率やムダを減らして「情報の使い勝手」を良くしていくことが大切です。
・そのシステムは、現場が必要な時にすぐに簡単に使えますか?
・データは常に正確ですか?不正確なデータが混ざっていませんか?
・集計や分析に活用しやすくデータが整理されていますか?
顧客の情報を一元管理しようと全員から名刺を集めて作った顧客管理簿。顧客情報や商談履歴も記載しようと掛け声はよかったが、外出先からは参照できない。営業担当者は結局それぞれのノートパソコンにコピーを保存して顧客訪問することに。いくつもコピーができてそれぞれが自分に関する情報を入力するので一元管理は崩壊。
新たに導入した予約管理システム。予約の状況とお客様のカルテ情報も入力できるのでとても便利と導入したが、事務所に置いてあるパソコン一台でしか利用できない。現場からわざわざ移動して使うのも面倒だから、事務所のスタッフがプリントアウトしてバックヤードの掲示板に張り出す仕事が発生・・
情報はある。だけど使い勝手が悪い。そうなると、期待していた効果が出ないだけでなく、かえって手間が増えてしまったりする。
使い勝手の悪い情報は次第に更新頻度が低下していき、少しずつ情報が古くなります。使い勝手が悪いと参照頻度も低下しますからデータの誤りやヌケモレがあっても気づきにくくなります。知らず知らずのうちに、古く間違った情報が蓄積されたままになってしまいます。情報の使い勝手を高めることは、データの正しさを維持する上でも大切です。
整備の強化ポイント
情報アクセスの整備
情報にアクセスしやすくする
現場が必要とするタイミングで必要な情報に簡単にアクセスできるようにする
一元管理環境の整備
情報を一元的に管理する
情報の使い勝手を良くするためには、一元管理された情報にアクセスしやすくすることがポイント
習慣化の強化ポイント
そろえる習慣
データの呼称や粒度をそろえる
情報の使い勝手を良くするためには、蓄積されるデータの型や呼称、データの粒度を統一していくことが大切
データ保全の習慣
データを守る
データを活用するデジタル経営を推進していけばいくほど、会社の資産として情報を守っていく必要性が高まる
デジタルはこう使う
- クラウドサービスやモバイルアプリで情報を記録、集計しやすくする
- 社外や現場からも利用できるようにクラウドにデータを保存する
- 無線LANやモバイル通信で職場にリモートアクセスできるようにする
- タブレット端末を導入して現場でも情報を扱いやすくする
- バーコードリーダーやICタグを活用して情報の読み取りを効率化する
- クラウドデータベースで商品や顧客のマスタデータを管理する
- ファイル共有システムのデータを定期的にバックアップする
- クラウドの同期機能を使ってPCの故障や紛失に備える