「デジタル」という便利な道具を経営の力とするための方法・考え方をまとめた実践的なビジネス書をご提供しています。 本書は、数あるデジタルツール(手段・道具)の紹介本ではありません。いま私たちの目の前にあるデジタル技術を事業の成長に直結させるための活かし方(目的・方法)について、多数の事例から帰納的に導き出した5つの分野でわかりやすく解説します。 架空の中小事業者「つくばガーデングリーン社」の日常シーンなどで、中小企業や農業者等の中小ビジネスがデジタル活用に奮闘する実践例を数多く紹介。自社でできることを考え、気づき、決断するためのヒントが満載です。 DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、単にデジタルツールを導入することではありません。道具は使いこなしてこそ役に立つ。本書で活かし方を知り、本当の自社流DXをはじめませんか。 想定する読者層 デジタルの力で働きやすい職場づくりを進めたい、すべてのビジネスパーソンに 中小ビジネスの経営者層やデジタル化を推進するリーダー層 IT製品やサービスを提供するIT事業者のセールス・プリセールス・マーケティング部門の方 中小ビジネスを支える商工会・商工会議所、金融機関、行政機関等の方 中小ビジネスを支える士業・コンサルタント 等 読者層悩み・困りごと本書が提案したいこと(提供価値)経営者・リーダー• デジタルツールは部分的にでも導入しているが、効果的に使いこなせているかというと不安がある• デジタルツールが様々あって混乱している、何が自社に必要なのか、見極めができていない• デジタル経営の基本的な考え方・取り組み方の理解につながります• 知識不足・経験不足を補い、自社にあったデジタル戦略立案の視点を得られますIT事業者・支援機関の職員• 事業者の成長に役立つような、IT製品やサービスの効果的な活用方法を提案できていない• ITの苦手なスタッフやデジタル活用に消極的な事業者に、効果を上手く説明できない• 現場のムダ・ムラ・ムリを解消する、デジタル×アナログの業務改善という提案の切り口を得られます• デジタル技術がどのように働く人を助け、チームの共働に貢献するか、その考え方を学べます士業・コンサルタント• 投資余力が少なくても、素早く行動し、効果に直結する取り組みができないか • 個人のリテラシーや世代間ギャップを踏まえた現実的で実効性ある助言を行えるようになりたい• 既存システムのフル活用や無料ツールの有効活用など、情報技術を活かす術を再認識できます• 道具を活用する視点からデジタルをとらえ、組織の実情に応じた取り組み方のヒントを得られます 内容紹介:第1章 目の前にあるデジタル 内容紹介:第2章 答えは中小ビジネスの現場にあった 内容紹介:第3章 デジタル-5つの活かし方 内容紹介:第4章 デジタル経営をはじめよう 執筆・出版のきっかけ~中小ビジネスのデジタル化を阻むもの~ 執筆・出版のきっかけ~中小ビジネスに役立つフレームワークを~ デジタル5つの活かし方の特徴 必要な時に参照する参考書として利用できる 中小規模の事業者の現場実態に即した内容で応用しやすい 社内で読み合わせするなどしてデジタル人材育成にも役立つ 提供形式A5サイズの単行本(ソフトカバー、212ページ)税込価格一冊 1,980円 + 送料185円販売サイトデジトレSTORE https://dejitore.stores.jp/(一般のオンライン書店でも販売しています。) デジトレSTOREにてお買い求めください。 5つのデジタル力について デジタル力とは、デジタル技術を経営に活かす組織の能力 世の中には数多くのIT製品やデジタルツールがありますが、それらを経営に活かす方法は、実はたった5つの分野に整理できます。わたしたちは、数多くの中小企業や農業経営体での活用例をベースに、5つの分野ごとにデジタル技術を経営に活かす組織能力(Capability/ケイパビリティ)を体系化しました。 デジタルの活かし方 デジタル力自社の魅力を伝達する→ 伝える力社外との関係を拡げ、深める→ つながる力情報で会社の回転数を高める→ 回転力情報の使い勝手を良くする→ 基礎体力情報で現場を滑らかにする→ 体幹力 この5つのデジタル力は、3つの応用力と2つの基礎力から構成されます。 3つの応用力は、IT製品やデジタルツールの応用分野を示します。インターネットを使って社外に情報発信をする「伝える力」、顧客や協業先とデータ連携してつながりを強固にする「つながる力」、社内の業務を効率よく回していく「回転力」の3つです。 2つの基礎力は、IT製品やデジタルツールを上手く経営に活かすために不可欠な基礎分野を示します。社内にある情報の使い勝手を良くする「基礎体力」、情報を現場の潤滑剤として活用する「体幹力」の2つです。 それぞれのデジタル力には、4つの強化ポイントが定義されています。デジタル環境の整備に関する強化ポイント2つと、デジタル活用の習慣化に関する強化ポイント2つです。 【 伝える力 】 自社の魅力を伝達する 伝える力とは、デジタル技術を活用して自社の魅力を社外へ伝達し、顧客やファン、共に働く仲間を増やしていく組織の力。 インターネットでは広く宣誓し、営業・接客・採用の場面ではスタッフが言葉と行動で対面するその人に届ける。社外の声に耳を傾け、自社の理念と魅力を伝えられる素材をアップデートし、Webサイトや提案資料、業務マニュアルを更新し続けていく取り組み。商品サービスそのものの魅力磨きも忘れてはいけない点。 伝える力を強化する4つのポイント 魅力伝達機能の整備● Web上に足跡を残してお客様から見つけてもらえるよう、情熱を持って情報発信する● 日常業務の中で伝えるべき時に正確に伝えられるように、魅力をデジタル化して利用しやすくしておく(提案資料、売れ筋商品データ、顧客の評価、接客ノウハウ等)● 社外に発信する情報を統一し、一貫性のあるメッセージを伝える発信している情報が古くならないよう定期的に見直して更新する魅力形成機能の整備● 職場のありのままを写し取る写真や動画を魅力を伝える素材にする● お客様から頂戴したお礼のメール、サイトに投稿いただいたクチコミ、手書きのアンケートに書かれた温かい応援メッセージなど、お客様の生の声を素材にする● 人気メニュー、売れ筋商品、最近の受注傾向など、自社に期待されているポイントを見出せる社内の販売関連のデータを素材にする● 自社の歴史や実績から魅力の源泉を考え、その中からさらにお客様や社会から評価されてきたものを抽出する育成の習慣● 自社の魅力の源泉である商品やサービスそのものを磨く● 社内に経営理念や価値観を浸透させる外の声を聞く習慣● サイトのアクセス数やコンバージョン率などを定量化し、社外からどう見えているかをつかむ● アンケートによりお客様や取引先、スタッフの評価や満足度を把握する● 社外と接点のあるスタッフからのフィードバックにより社外で起きた小さな動きから兆しをとらえる 伝える力を伸ばすことで実現したい経営課題の例 新規顧客の獲得 ファンの育成 既存顧客との関係強化 新たな協業先の開拓 顧客応対のレベルアップ 提案力強化 求人への応募者の増加 社員の定着率向上 【 つながる力 】 社外との関係を拡げ、深める つながる力とは、デジタル技術を使って、顧客や協業先とより密接で深い関係を構築していける組織の力。 ネットでの受発注やオンライン商談、協業先とのデータ共有や業務連携など、新しいデジタル技術を上手に取り入れ、顧客と自社双方の利便性を高め、競争力を協業先と共に向上させていく取り組み。社会全体が変わっていく中で、自社ならではの社外とのつながり方を見つけていくチャレンジでもある。あらたなリスクへの備えも重要。 つながる力を強化する4つのポイント 顧客利便性の整備● お客様からの問い合わせ、予約、注文といった受付を、電話など既存のルートに加えて、Webやスマホアプリやデータでの受け付けを可能にする● オンラインで接客・営業できるようにする● 注文履歴など自社内で記録蓄積しているデータをオンラインで顧客が参照可能とする● SNSなどを活用した双方向コミュニケーションでコミュニティを形成するパートナー連携の整備● 外部パートナーとクラウドで情報共有し、作業進捗や関連資料、写真・動画・データをやり取りできるようにする● 外注先のスタッフに自社のシステムを直接利用してもらう● 販売パートナー向けのWebサイトを用意し、市況や商品の情報、営業ツールをいつでも活用できるようにするコントロールの習慣● 情報セキュリティ対策:外部からの攻撃への対策● 情報セキュリティ対策:内部からの情報漏洩への対策● 情報セキュリティ対策:パートナー側の対策(攻撃、情報漏洩)● 事業リスク対策:利用規約の整備、情報の正確性を担保できる態勢の確立● 事業リスク対策:協業下における相互の事業継続対策チャレンジの習慣● お客様の期待値の変化を敏感に感じ取って事業ドメインをアジャストしていく● デジタルとアナログを用途に応じて柔軟に使い分ける● 社内独自の手続きやルールを見直し、組織の在り様を変化させていく つながる力を伸ばすことで実現したい経営課題の例 24時間365日の予約受付 問い合わせのWeb化 専用アプリからの注文 オンライン商談 データによる受発注 協業先との業務連携のためのクラウド 自社システムやデータの提供による利便性向上 【 回転力 】 情報で会社の回転数を高める 回転力とは、デジタル技術を取り入れて、より速く、より少ない人数で、より高い品質で事業を回し続ける組織の力。 事業は循環活動。経営資源を投入して商品サービスを生み出し、その利益を元手にさらに新たな価値を生み出していく。その循環を構成する一つひとつの仕事の一回転の様子をデータで可視化し、判断スピードを上げ、業務を改善し、スタッフを育て、チームとしての管理レベルを一段階高める取り組み。新しい技術にアンテナを張ることで自社の成長を促進するデジタル技術と出会うことができる。 回転力を強化する4つのポイント 管理水準を高める整備● 仕事の状態をデータで可視化するための記録・計測ツールを活用する● データを簡単に素早く参照して現場の判断を早く精緻化する● 業務間でデータを共有して二重入力を減らし、仕事のサイクルを短縮化する● 自動化が可能なツールを利用する● 十分にできていなかった非定型業務に時間投入するデータ活用環境の整備● 業務システムなどに記録されたデータを取りせるようにする● リスクや異常の発生を検知して通知してくれるシステムを利用する● 属性やカテゴリを付加して簡単にデータを分割して比較検討できるようにする● データの集約・加工といった準備作業を自動化できるデータ分析ツールを利用する● 経営に必要な数値をモニタリングできるダッシュボードを整備する成長に活かす習慣● 商品やサービスの売れ筋データや顧客ごとの販売データ、アンケート調査データを使って、売れ行きの変化、ニーズの変化をつかみ、見直しや新規開発に役立てる● 業務にかかった時間のデータや単位当たりの生産数量などを目標値に照らして定量的に比較し、ボトルネックを見つけ、次にどういう手を打つべきかを判断しやすくする● 人時生産性、納期遵守率、品質目標達成率、ロス率、顧客満足度、残業時間、定着率、そして、スタッフ満足度といった点の定点観測を行う● 「スキルマップ」や「社内検定制度」を整備して、教育研修の目標を定量的に定める知恵を集める習慣● ITベンダーから直接話を聞く● 経営者仲間の集まりや社外の交流会、SNSなどで評判を聞く● 現場のスタッフが直面している課題の共有や改善のアイディアを集める● すでに利用中のシステムの、まだ使っていない機能の活用を検討してみる 回転力を伸ばすことで実現したい経営課題の例 業務時間の短縮 残業時間削減 省力化 軽労化 品質アップ 業務工程改善 ムラムリムダの削減 従業員のスキル育成 【 基礎体力 】 情報の使い勝手を良くする 基礎体力とは、事業にデジタル技術を取り入れていく上で土台となる組織の力。社内にある情報の整理整頓により、情報の使い勝手を良くする取り組み。 オフィスでも、現場でも、正しい情報に素早くリーチし、シンプルな操作で正確に情報を更新できるよう、情報へのアクセス性を高める。データを一元的に管理し、データ項目や単位を統一して、集計や分析など情報を二次利用しやすくする。社内にある情報の使い勝手を高め、情報の価値を高めることで、導入したシステムを何倍にも活かすことができる。データを正確に維持し続けるための共通認識の形成や保全措置は欠かせない。 基礎体力を強化する4つのポイント 情報アクセスの整備● 社内LANにWi-Fiのアクセスポイントを整備する● 外出先や自宅から社内LANにリモートアクセスできる機器を整備する● 倉庫やバックヤードにWi-Fiを整備する● スマートデバイスから利用できるクラウド型の業務システに移行する● 選択入力や入力チェックなど、情報を正確にスムーズに入力できる工夫をする● 業務間で情報を引継いで情報の再入力を減らす一元管理環境の整備● 情報が更新されたら別の場所にある情報も連動して更新されるようにする(同期)● 業務で共通して使う「マスタデータ」をつねに正しく最新になるよう管理する● 情報の活用という視点から業務の進め方や役割分担も見直すそろえる習慣● 蓄積されるデータの呼称や型、データの粒度を統一する● 表や文章を作成する時も、入力ルールやフォーマットを決めてバラつきを防ぐデータ保全の習慣● 情報をバックアップする● 不正確な情報や誤った情報が混ざらないよう情報更新時にチェックをする● 機密度の高い情報の閲覧の権限を特定の関係者に限定する 基礎体力を伸ばすことで実現したい経営課題の例 現場・外出先でもシステムやデータを利用できるようにする いつでも正確でそろったデータを共有できるようにする データの集計や分析を短時間で素早くできるようにする 【 体幹力 】 情報で現場を滑らかにする 体幹力とは、事業にデジタル技術を取り入れていく上で軸となる組織の力。意識的に情報を潤滑剤として現場を円滑に回す取り組み。 仕事の経過をまめに記録する、情報を整理整頓する、情報を伝え合う努力をする、組織の拠り所となる共通の手順や基準を決める、成果を振り返る、互いに学び合う。このような組織の習慣が、事業にデジタル技術を役立てる上でカギを握る。情報が組織の中に流れていくことで、現場のスタッフは、迷わず、間違わず、し忘れることなく、やり戻しや手戻りなく、滑らかに業務を進めることができる。情報が組織を回す潤滑剤となる。 体幹力を強化する4つのポイント 業務ルールの整備● スタッフが個人的に工夫していた職場のベストプラクティスをデジタル化して共有する(仕事の手順、商品情報、在庫の発注点や補充タイミングなどの基準、役割分担、販売ノウハウや接客のコツ、さらにはモノの置き場所)● クレームやご質問、お困りになっていたこと、迷われていたことなど、お客様の反応をしっかりと拾って業務に必要な情報を漏れなく発見する職場環境の整備● 検索、履歴管理、共有、再利用というコンピュータならではの便利機能を活かせる業務のペーパーレスを進める● 最低限のスマホやパソコン、社内LANなどの情報通信ネットワークを整備する● 場所を問わず利用できるクラウドサービスを活用する● オフィスソフトを徹底活用する(Excel、Word、PowerPoint)● 便利なデジタル機器を活用する(スキャナーや大型ディスプレイなど)振り返りの習慣● サービスレベル、顧客ニーズとの乖離、業務の精度、スタッフの動きなど、振り返りたいものについて記録する● 仕事のルールは固定化せず適宜見直す共働の習慣● 一人ひとりが自分の担当業務を集中してこなしつつも、他の人が何をやっているかを知る、知る必然性を感じることで、会社視点での改善の知恵を生み出す● 役割分担している、共に働いている仲間に、適切なタイミングで、正しい情報が、手間をかけずにスムーズに提供されているか確認する 体幹力伸ばすことで実現したい経営課題の例 業務に必要な情報を探す時間の削減 無駄な待ち時間の削減 現場の迷いや、戸惑いの削減 現場への放任の削減 手戻りやミスの削減