management by digital technology
デジタル経営とは

デジトレが考えるデジタル経営

事業の成長に直結する効果的なデジタル活用のためには、スモールスタートで素早くデジタル活用のPDCAサイクルを回し始め、継続してスパイラルアップしていくことが大切です。

すなわち、デジタル活用とは、デジタルツールの導入のことだけを指すのではありません
デジタル技術によりどのように事業を成長させるかを構想し(Plan)、自社の現状を踏まえた自社にあうデジタルツールを選択し、導入する(Do)。同時に、業務の手順やルール、分担を最適化し、デジタルツールにデータを入力し、そして、データを活用する。
データの活用とは、情報を仕事に役立てること。顧客の情報を仕事に役立てる。進捗状況の情報を仕事に役立てる。デジタルツールに記録したデータを共有したり、編集したり、集計したりする。それによって仕事の出来映えが見えてくる(Check)。
そして、仕事をよりよいものにするためのレベルアップの方針を立て(Action)、次の仕事の計画を策定する。
この一連の活動がデジタル活用ということになります。

この活動は、チームとしての取り組みであると同時に、スタッフ個々人の情報を仕事に役立てるスキルや経験も必要となりますが、こういったものは一朝一夕に身につくものではありませんし、ましてやデジタルツールを購入してくれば済むことでもありません、外部業者に丸投げすれば達成できることでもありません。一歩ずつデジタル技術の活用スキルをチーム全体で着実に高めていく、そういう取り組みです。

デジトレでは、このデジタル技術の活用スキルを中小規模の事業者自身が高めていくための各種トレーニングツールを用意しています。ITコンサルタントとしての長年の経験をもとに、標準的な助言事項よく使うワークシート、社内での合意形成のためのツール、デジタル活用についての重要な考え方など、を再現性ある形にして利用できるようにしています。

デジタル経営の自主トレにより、自社にあったデジタル活用で、顧客満足度と従業員満足度を高めて競争力を向上させましょう。

合同会社デジトレ

 


大玉転がしモデル

長年の中小事業者の支援を通じて、経営の仕組みというものを運動会で目にする「大玉転がし」になぞらえて図示してみました。経営の様を、大きな玉を仲間で力をあわせて前に転がしていく様子ととらえると、その回転の中には、PDCAサイクルあるいはOODAループの概念が包含されることがわかります。デジタル技術は単なる省力化や効率化の道具ではありません。この経営の回転をより少ない人数で、より品質よく、よりスムーズに回転させるために、潤滑油のようにデジタル技術・情報がチームの中で役立ちます。

 
 

大玉転がしモデル

 


当たり前化するデジタル

デジタルトランスフォーメーション(DX、Digital Transformation)とは、デジタル技術を活用して企業の変革を実現するという企業の内部環境の話である以前に、デジタル技術が社会に浸透し人々の生活をあらゆる面でよい方向に変化させる*という企業の外部環境の話です。

(* 出所:2004年 スウェーデン ウメオ大学教授 エリック・ストルターマン ”Information Technology and the Good Life“ https://ja.wikipedia.org/wiki/デジタルトランスフォーメーション)

DXに取り組むか取り組まないかという二択問題ではなく、DXにどう適応するかという必須課題です。この変化は、知らず知らずのうちに企業の外部環境を変えていきます。この変化は、社内の態勢がどうであろうとおかまいなしに企業を覆いつくします

顧客がWebサイトを活用するのを当たり前に感じるようになる。
取引先がデジタルツールで業務連携することを当たり前と感じるようになる。
働くスタッフが情報を仕事に活かすことを当たり前と感じるようになる。

この当たり前ができていない企業は、余ほど強い商品サービスがなければ、少しずつ敬遠されることになる。このことは厳しいながらも直視すべき現実であると考えています。

 

当たり前化するデジタル

 


しかしデジタルは万能ではない

ではデジタル技術の活用に前のめりに取り組んでいいかというと、そうではないのがまどろっこしいところ。肝心のデジタル技術は実は万能ではないのです。デジタル技術には幾多の便利な良いところがありますが、不便なところも同時に存在しています。

ご存知の通り、ネット上には正しい情報と間違った情報が混在しています。個人の意見の主張が他人の権利や人権を侵害している事実があります。情報を生み出すのに長けた技術であるために、正しい情報だけでなく数多くの情報が生み出されます。

また、操作性については個々人での習熟度のバラツキが大きくなっています。四角い狭いディスプレイをのぞき込まないと情報が手に入らない不便さがある一方で、のぞき込めればその先に無限の空間が広がっている便利さがある。慣れている人と慣れていない人で、受け止め方が180度違うのです。

なんとなくあれもれこもできそうな技術に思わせがちですが、その実、できることに限りがある。複数のシステムがバラバラに存在しているのは今に始まった話ではなく、30年前から同じ課題が存在しています。日進月歩の技術であり、着実に発展途上ですが、人間のアナログの世界の方が巨大なのですね。とてもではないけどそのアナログの世界をすべてデジタルでリプレイスできるほどではない。

 

デジタルは万能ではない

 


アナログにデジタルを加えることを意識する

外部環境である以上は、デジタル技術を活かした事業活動は必須です。しかし一方で、デジタル技術は万能ではない、ではどうすればいいのか?

答えは簡単です。アナログ→デジタルではなく、アナログ+デジタル、ととらえるのです。

アナログがデジタルに置き換わるのではなく、あるいは、アナログを捨ててデジタルにしようと奮闘するのではなく、アナログの日常にデジタルという便利な道具をちょい足しすればいいのです。ちょい足しと考えると、どんな仕事にもデジタル技術は活きてきます。

 

アナログにデジタルを加える

 


スモールスタート&スパイラルアップ

中小規模の事業者の多くは、デジタル技術の導入検討にそれほど多くの時間をかけられません。一年の中で2か月くらいの閑散期を充てられれば御の字で、繁忙期にはそれどころではない現実があります。

だからこそ、一年一年を大切にしていただきたいのです。
自社ができる範囲で着実に前進していくこと。スモールスタートで素早くデジタル活用のPDCAサイクルを回し始め、継続してスパイラルアップしていくことが大切だと考えているのです。

 

スモールスタート

 


資料をきっかけに話し合う

スタッフ一人ひとりが情報を活かしてこそデジタル活用です。デジタルツールを導入するのはある意味でシンプルです。お金があればいい。しかし、導入したデジタルツールを活かして事業の成長につなげていくためには、スタッフがそれを仕事に役立てるスキルと経験が不可欠です。

デジタル活用に際しては、ぜひ社内でディスカッションを行ってください。誰か一人で進めることはできません。対話を通じてしか理解や納得、コンセンサスは形成できません。

そこに必要なのが資料です。対話の接着点となる資料です。
デジトレが提供する各種自主トレツールを使って社内での対話を進めていただきたい。そのように思っています。

 

資料を基に話あう

 


得意な人が苦手な人をサポートする

政府がマイナポイントの付与を推進した際、市役所のロビーでは、多くのスタッフが市民のマイナポイント手続きをサポートしていました。こういった助け合いは、中小規模の事業者におけるデジタル活用に際しても重要な視点となります。

都内のある製造業では、作業進捗と出来高を記録管理するソフトを活用することにしました。8人いる工員のうち若手5人がタブレット端末からソフトに直接入力する一方で、ITの苦手な3人のベテラン工員については、ソフトと同じ項目を記録できる紙の伝票を用意。そこに記録したものを若手5人がソフトに代わりに入力する運用をしています。

一見手間がかかっているように見えますが、このおかげで、工場の進捗と出来高がこれまでよりも格段に正確に素早く把握できるようになり、業績拡大の土台となりました。3人分の紙の伝票をソフトに入力するのは、慣れたスタッフなら15分もかからない仕事。トータルで効果を出す合理的な考え方ということです。

 

助け合い作戦

 


“ファーストペンギン”作戦

例えばテレワーク。例えばクラウド活用。例えばタブレット端末の活用。
こういった新しいデジタルツールの導入に際しては、必ずしもスタッフ全員が一枚岩で賛同するわけでもないのが現実です。無理もありません、知らなければ不安が先立ちます。導入のデメリットもないのかと気にもなります。

そこでお勧めしているのがファーストペンギン作戦です。
ファーストペンギンとは、集団生活をしているペンギンの中で、先頭きって海に飛び込むペンギンのことで、勇気をもって先行者利益を得る行動をするリスクテイカーのことを言います。中小規模の事業者の中でのデジタル活用に際してもこのファーストペンギンは重要な役割を果たします。

トライアルという形で新しいデジタルツールの活用に挑戦してもらう。トライアルの経過や結果を社内で共有してもらう。始める前には見えていなかった課題も見えるし、具体的にどんなメリットがあるのかも結果を持って判断することができる。デジタルツールは使ってみないとわからいものが多くあります。試行という形で期間や範囲を決めて実行してみることで、自社にあったデジタル活用の中心軸が見えやすくなります。

 

ファーストペンギン作戦