企業内の複数名で「デジトレ診断」を実施して、デジタル活用のきっかけを作ろう

デジトレ診断結果を比較してデジタル化の議論をスタート

デジトレ診断の有効な使い方の1つとして、 支援先企業内の複数名の方に実施いただき、デジタル活用の出発点とする方法があります。複数の診断結果を比較することで、各担当の抱えている課題やデジタル活用状況が明らかになり、改善が必要な箇所や各担当者間でより詳細な検討が必要な論点が見えてきます。

社内のデジタル活用をスタートしようとすると、どこから手をつけてたら良いのか、誰に何を担当してもらうか、など具体的にどう進めるかは、迷われるポイントです。複数の方のデジトレ診断結果をきかっけに社内のデジタル活用の議論をスタートさせることは論点も明確になり、非常に効果的です。

今回、デジトレ診断データボードβ(以下、データボードβ)に回答者別のスコアを確認できる新しいページを追加しました。支援先企業内の複数名でデジトレ診断を実施した場合に、結果をわかりやすく可視化できるようになります。

今回は、新しいページの説明と、その活用方法を紹介します。

デジトレ診断の設問は、回答者によって「よく当てはまる」「やや当てはまる」「当てはまらない」の選択にバラツキがでることがあります。同じ会社でも6割位できていれば「よく当てはまる」を選ぶ方もいれば、「やや当てはまる」を選ぶ『慎重派』の方もいます。そのため、『慎重派』の場合「5つの力」、「20の強化ポイント」の点数は全体的に低い傾向があり、そうでない場合の点数は。全体的に高めに出ます。

データボードβでは企業単位でスコアを平均してしまうため、回答者間の認識の相違や課題の捉え方の違いが見えないといった課題がありました。

そこで、同じ回答者の中で「高い点数」と「低い点数」を可視化できれば、どこに課題がある(と回答者が考えている)かを発見しやすくなると考え、今回データボードβに「回答者別20の強化ポイントのスコア」を追加しました。

回答者別の20の強化ポイントを可視化

データボードβの追加されたページを見てましょう。画面左側のページメニューから「回答者別スコア」を選びます。

縦軸に回答者名、横軸に20の強化ポイントを並べたヒートマップが表示されます。

表全体の中で、点数の高い数値は背景が「濃い青」に、低い数値は「薄い青」に表示されます。1名の回答者が複数回の診断をした場合は、平均点が表示されます。また、表のデータは診断実施日の期間、会社名、回答者名、登録日時でフィルタをかけることが可能です。

回答者別20の強化ポイントスコアの活用方法

データボードβのページのヒートマップでは、表全体の中の点数の高低はわかるのですが、回答者ごとの「高い・低い」強化ポイントが色で表現されていません。そこで、回答者ごとの高いポイント・低いポイントをExcelを使って可視化できるテンプレートを用意しました。

Excelをダウンロードして、テンプレートを使って可視化してましょう。まずは、データボードβの表の右上のメニューから、エクスポートを選択します。(表にカーソルを合わせると、表の右上にメニューボタンが表示されます)

データのエクスポートのポップアップから、「csv(Excel)」を選択して、エクスポートします。

デジトレ会員サイトから「回答者別20の強化ポイント見える化テンプレート」を入手(支援者プランご契約の方のみ入手可能です)して、データボードβからダウンロードしたExcelのデータを貼り付けます。

Excelのヒートマップには回答者別に20の強化ポイントの点数の高低が表示されます。

Excelのヒートマップは、点数が高いほど「濃い青」に、低いほど「濃い赤」になります。

表を回答者別(横方向)に見てみると、赤い箇所は、その回答者が「出来てない(と考えている)箇所」で、問題箇所と言って良いでしょう。

一方、表を強化ポイント別(縦方向)に見てみると、青系の列、赤系の列、青と赤の混在している列があります。

青が多い強化ポイント(上図の例では「業務ルールの整備」)は比較的、みんなが出来ていると考えている強化ポイントであり、問題ないと言えます。逆に赤が多い場合(上図の例では「外の声を聞く習慣」)は、全員が問題と捉えている強化ポイントであり、何らかの対応が求められると思います。

さらに、青と赤が混在している強化ポイント(上図の例では「共働の習慣」「情報アクセスの整備」)は、回答者によって捉え方が異なっているということです。今後、詳細なヒアリングや回答者間で討論する場を設けるなど、より深掘りが必要になる論点と言えます。

このように、1つの企業内で複数名の方にデジトレ診断を実施いただき、その回答結果から、デジタル活用の論点を炙り出すことができます。社内での議論を深め、デジタル活用の取り組みにつなげてみていかがでしょうか?

今後もデジトレ診断やデータボードβをより有効に使う方法を発信していきたいと思います。