飲食店の仕込み問題解決アプリ とは

その名も「シコメル」  https://shikomel.com/

飲食店が仕込みを外注できるアプリということで、自店の仕込み業務をアウトソースできたり、有名店の仕込み品を仕入れられたりできるということ。

コロナ禍でケータリング需要が増えた際に、”クラウドキッチン”や”ゴーストレストラン”など、キッチン設備だけでケータリング事業を展開するような新しい飲食店スタイルが誕生しました。これまで飲食店が一体的に保持していた接客、料理、仕込、会計、配達、といった各種機能をそれぞれ独立・分割して、自由に組み合わせて事業展開できるようになった流れ。
まさにDX、デジタルを活用した事業のワクワクするような変革です。

デジタルの活かし方が言えば「つながる力」

自社で何もかも保持してレベルアップしていくアプローチとは別に、積極的に外部と連携して、連携したネットワークを含めた全体として商いを展開していくやり方。ここにデジタルが不可欠な要素として活かされている。

つながる力の4つの強化ポイントは以下。

1.顧客利便性の整備
とにかく「便利」でなければ絵に描いた餅。
これまでの飲食店のように一体的に保持していた方が話が早い、柔軟に対応できる、などなどの利点がある。それよりも「利」があるいか、「理」があるか、それがポイントですし、アウトソーサーの競争力もまさにそういった点になるでしょう。仕込みが外注できるといっても面倒だったら誰も利用しない。便利だから利用する。シンプルだけどそれが難しいしチャレンジングなんですよね。

2.パートナー連携の整備
会社の業務を分解して外部に上手くアウトソースしていく。場合によってはあえてインスースするものもあるでしょう。デジタルを活かせば、ネットワーク越しにまるで一つの事業体・会社のような形で業務連携できる。何をインソースして自社で知見をためてスキルを高めていくか。何は外に出してコスパや自社では出せないクオリティを実現するか。デジタルによりパートナーと連携する時代が当たり前になってきました。

3.コントロールの習慣
ネットワークを通じて外部とつながる時には、一つの会社で何から何まで一体的に提供することと比べて、大きく2つのリスクに立ち向かう必要があります。
一つは情報セキュリティリスク。つながればつながるほど外部の脆弱性が自社の脆弱性になりうる。サプライチェーンのパートナー工場がセキュリティ攻撃を受けて操業停止を余儀なくされる事態も決して珍しいことではなくなっています。いつどこでセキュリティリスクが顕在化するか予想するのは不可能。だからこそしっかりと備えることが重要ですね。
もう一つは、事業継続リスク。セキュリティリスクだけではありません。不祥事や個人情報漏洩、あるいは事件に巻き込まれて操業停止になってしまった。完全に外部に依存したオペレーションになっていると、いざパートナーが事業継続不能となった際に自社としても立ち止まらざるを得なくなる。もちろん、代替策を万全にとることはできないしコストもやたらにかかる。だからといって無視できないのが「つながる力」を活かすポイントでもあります。

4.チャレンジの習慣
外部とつながるようになれば、スタッフの評価軸も変化します。インソースしている業務のスキルアップを軸にした評価になるでしょうし、外部と上手くコミュニケーションできる気配りができることも重要なスキルになるでしょう。アレ・コレでは仕事の指示や連絡が伝わらない。業務を可視化して共通言語を整えて仕事の整流化(デジタル力でいえば体幹力)を整えられる人材も高く評価すべきでしょう。変化についていけないスタッフをフォローするような役割の人材も必要でしょう。新しいネットワーキングという事業環境に働き方も適応していくことが求められます。

 

アウトソーシング、ネットワーキングは、飲食店だけの話ではないし、コロナ禍があったから出現した話ではありません。古くは(といってもそんなに大昔の話ではないですが)、
ラクスル https://raksul.com/
シタテル https://sitateru.co.jp/
ハコベル https://www.hacobell.com/

など、広義の”クラウドソーシング”というトレンドの一つ。様々な業界にこういった分業化・連携化が進んでいくのでしょう。「つながる力」というデジタル力を活かして。