いろんなコラボ型デリバリーへの挑戦が始まっている。

先日の日経産業の記事 「高校生の弁当、スマホで注文」
「給食ベンチャーのペコフリー(福岡市)は高校生が学校での昼食として食べる弁当を、スマートフォンで注文できるサービスを始めた。」

コロナ禍でUber Eatsや出前館などの利用が増え、自宅への食品デリバリーが一つのスタンダードになってきたわけですが、その延長線上の発想ですね。なるほど。
高校生からしたら自然ですよね。いってみればUber Eatsに高校まで配達してもらうのと同じ。もちろん、高校ではUber Eatsに限らず出前はダメだよ、という校則もあるのかもしれませんが、今回の件は学校が正式に導入したサービスなのでOK、ということのようです。

このペコフリーさんは、福岡市内の給食業者さんと連携してサービスを提供するそうですが、Uber Eatsや出前館が同様の契約を学校と結んでサービス提供することだって考えられる。
つまり、従来の仕出し弁当業も、Uber Eatsなどのデリバリー業と、ある意味でコンペになってるんですね。そこでペコフリーさんと組んで事業領域を拡張することができた。

デジタル化された社会ではこれまで当たり前と思っていた業界と業界の垣根である「業際」もまた変化し、予定調和としての「住み分け」が一夜にして無力化されてしまうことも起きうる。
事業の前提としてのCustomerお客様やCompetitor競争相手がガラッと変わってしまう。
もちろん、どのように利益を出すかが肝心ですし、デジタルの世界は囲い込んだ顧客も一夜にして離れてしまうリスクもあるので、先手必勝とばかりは言えない取り組みですが、無視することはできない。
デジタル化した社会の消費行動の変化が自社にどのような影響を与えるか、この点はウォッチし続ける必要があるんだと思います。

そうそう、デリバリーでいえば、丸善ジュンク堂書店さんでも、注文から最短45分で本の宅配をするサービスを始めたそうですね。
こちらは、宅配代行サービス業のエニキャリさんとのコラボ事業。
物流のラストワンマイルと言われますが、自動運搬などの方法も含めていろんなコラボによる競争と共創が今後も行われていきそうです。

※本件は、デジトレ診断の5つの力における「つながる力」に該当する動き
 強化のポイントは次の4つ。
  顧客利便性の整備
  パートナー連携の整備
  コントロールの習慣
  チャレンジ習慣

自転車デリバリーのイラスト