2021年”DX元年”を振り返りつつ2022年へ

”DX元年”と言われた2021年。
皆様の周りではどんな「デジタル」との出会いがあったでしょうか。

私自身にとって2021年は、ITコンサルタントとして中小企業・小規模事業者・農業経営者等をご支援してきて以来、もっとも忙しい年となりました。
本当に有難いことで、幾多のご縁に心より感謝している一方で、従前から抱いている「焦り」が極大化もしました。

 

このままでは数多くの中小ビジネスがデジタルを上手く活かせないまま淘汰されてしまうのではないか。。

 

自分が食べていくに十分なお仕事はいただいている。そこが問題ではないのです。
ITコーディネータとして、多くの中小ビジネスのデジタル活用の役に立ちたい、その原点からいうと全くの力不足。一人できる範囲を超えてアプローチできないのか。

デジトレを創業した原点ともいえるこの点については、デジトレ診断を通じて様々な皆様と意見を交わす中で、2種類のアプローチがあることが見えてきました。

1つは、まさにデジトレ診断が取り組んできた部分。
「デジタル化の有効性に気づいているけど、何から取り組めばいいのか、自社のこれまでの取組みのままでいいのか」という中小ビジネスの、「不安と悩みのカベ」を低くして、よりスピーディーにデジタル活用に取り組めるようにする部分。

中小ビジネス自身がデジトレ診断を使って社内の課題や優先順位を整理する。
山口県の製造業様では、20人の従業員全員でデジトレ診断を使っていただいて、社員それぞれから見たデジタル化の課題を総合して対策をとるべく取り組んでいます。

前に進みたいけど進めていない現状に対して、その障害物を取り払うことで、スッと歩みを進められる。
「課題が整理された」
「自社がやりたいことが見えてきた」
「ITの視点ではなく経営の視点で整理できるので、どのようにデジタルを経営に活かすがわかりやすい」

研修会などの機会を通じてデジトレ診断をご紹介しながら、そういったフィードバックをいただき、着実にお役に立てていると効果を実感しています。
2022年は実直に地道にその価値を一社でも多くの中小ビジネスに届けられるよう活動します。

 

また、中小ビジネスの支援者が中小ビジネスを支援する中で、支援プロセス自身の生産性向上・スピードアップ・時間価値向上のために活用いただいてもいます。
ITコンサルタント一人ひとりで得意分野があっていい、自己流はもちろん「味」があっていいし、でも、共通の部分があるならツールを使ってスピードアップした方がよりクライアントの役に立つ

時間をかけて丁寧に仕事をするのが必ずしもクライアントの役に立たない世界です。
クライアントとしては短い時間で端的な助言を受ければ前に進むことができる場合だってある。
サービス業としてのITコンサルタントとしては、より丁寧な”接客”を心掛けたい気持ちはわかりますが、それとデジある活用スピードがトレードオフになってしまっては本末転倒。自分のサービス品質を高めるためにコンサルティングしているわけではなく、クライアントの成功のためのコンサルタントである本質を、常に再確認することは不可欠です。

まだまだ少ない人数ですが、デジトレ診断のそういったコンセプトも含めて着実に現場でご活用いただいているITコンサルタントがいらっしゃることが大変心強く、嬉しく感じると共に、この「ITコンサルの時間価値の向上」については、かなりの覚悟と決意をもって考え方を拡げていくことが私たちの使命であると、2022年に向けて決意をあらたにしています。年明けからあらたな研修プランを実行していきます。

 

2つめは、デジトレ診断の前段階のお話し。

「デジタルが便利とか経営に役立つということは聞いているし知っているけど、自社には関係ない」
「うちでは上手く活かせないし意味ないよ」
「現場には抵抗感があるし、どうせ無駄」

そういった「気づきのカベ」がまだまだ根強いという点。

デジトレとしては、せっかくデジタルの有効性に気づいているのになかなかアクセルを踏めない状況はもどかしい、という視点から1.のアプローチを優先課題としてのデジトレ診断を提供しましたが、やはり、そもそもデジタル活用に向き合えていない、ゲームに乗れていない状況の改善も待ったなし
ゼロサムではなく、どちらも不可欠、ここは、二兎を追うことが大切、そういった視点を得た一年でした。

2022年のあらたなテーマとして行動していきたいと決意しています。

「卒業アルバムはAIにお任せ」

日経MJ記事より(https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77392230Z01C21A1H21A00/

卒業アルバム制作を支援してくれるAIサービスがあるそうです。

オンライン写真販売を手掛ける株式会社エグゼック(https://i-exec.jp/)が提供する「アルバムスクラム(https://album-info.phst.jp/)」がそれ。

卒業アルバムを制作する際に大変な時間と手間と慎重さを要求される生徒の写真の選定をAIが助けてくれる。生徒の顔写真を登録すれば、AIがその生徒が映る写真をピックアップしてくれる。生徒が登場している写真数が自動カウントされるため、登場回数を均等にするための調整もラクになったと。

さらに、コロナ禍特有のマスクをつけた顔写真でも判別してくれるそうで、AIがなければ写真判定は難しかったとそうです。

 

AIっていう技術だけがあっても何の役にも立ちません。
が、このように現場の課題解決に直結するシステムを、AIという技術を活かして提供すれば、現場の課題が解決して皆が幸せになる。
AIだAIだと叫ぶだけでは意味がない、それだけでは世の中は変わらない。
こういった具体性のあるデジタル活用を増やしたいですね。

 

なお、これ、学校が利用するだけじゃなくって、学校向けに卒業アルバムを制作する写真館も利用できるサービスとなっているところがまたいいところ。

DXの文脈で「ディスラプター・破壊者」という言葉が出てきます。
エンドユーザーに役立つデジタルサービスを提供して既存のプレイヤーの事業を破壊してしまう意味ですが、そういうゼロサムゲームではなくって、エンドユーザーに役立つのは当たり前として、エンドユーザーを支援する立場の方にも役立つ、「Win-win-win」のサービスである。
そんな点もまた素晴らしいサービスですね。

卒業アルバムを見る女子生徒のイラスト

新ワークシート「ありたい姿整理シート」

この度、「経営課題整理シート」を「ありたい姿整理シート」にバージョンアップしました。

 

従来は、次のように整理していた流れをよりシンプルにしたものです。

【従 来】 経営課題整理シート→デジトレ診断→伸ばしたいデジタル選抜シート→(以降の工程)
【変更後】ありたい姿整理シート→デジトレ診断→ありたい姿整理シート→(以降の工程)

 

これにより、事業成長の方針(ありたい姿)とデジタル活用のポイントを、より一体的に整理しやすくなりました。

従来、経営課題整理シートでは、次の5点を整理するワークシートになっていました。
1)経営理念
2)現在地(これまでの成果)
3)少し先に予想される変化(5年程度先)
4)ありたい姿
5)今後数年の経営課題と解決策

この 4)ありたい姿と5)今後数年の経営課題を統合し、”今現在の課題”というよりも、少し先を見た場合に”こうありたい”という目標を整理できるようにしました。

 

加えて、従来、デジトレ診断を通じて見出した自社が取り組むべきデジタル化のテーマを、「伸ばしたいデジタル選抜シート」で整理していたため、2つのワークシートを並べて思考する必要がありましたが、これを一つのワークシートに統合することで、

”こうありたい”という事業の目標に対してどのようにデジタルを活かすか、という点をより整理しやすくしました。

これらのワークシートについては、会員サイトにてダウンロードできるようにしておりますので、ぜひご活用いただければと思います。
https://dejitore.com/docs

 

今後も、「地域で頑張る中小ビジネスのデジタル経営現場の知恵と工夫に学び、整理・体系化して再び現場に届けること。」という私たちのミッションに忠実に取り組んでまいります。

サブスクの着実な浸透

ベビージョブ https://baby-job.co.jp/

ベビカル https://babycal-jre.com/

いずれも、ベビー(幼児)向けのサブスクリプションサービスです。


ベビージョブが提供するのは、「手ぶら登園」という紙おむつとおしりふきが使い放題となるサービスで、ユニ・チャームと連携しての提供。
保護者が月額費用を支払えば、 紙おむつとおしりふきが保育施設に届くサブスク。

単に面倒だとか買い忘れ防止とかにとどまらないところが関心したポイントで、
・紙おむつに名前を書く必要がなくなった(保護者がきちんと名前を書いて持参する必要があった)
・園児ごとに管理する保育士側の負担も減った
・使用済みのおむつの一括回収もしているので使用済のものを園児ごとに管理する手間もない
・使い放題プランなので園児の状態にあわせて遠慮なくおむつ交換ができるようになった
という、副次的なメリットもあるサービス設計になっているのがすごい。

デジタルの活かし方としては「つながる力」ですが、単に保護者とつながるだけなら、自宅におむつがサブスクで届くわけで、なんとなく従来からある話なわけですが、保育施設ともつながることで、その利便性が各段に向上する。

つながるために、スマホアプリとかを作らなければいけないわけではなく、従来からあるWeb注文の手段でも入口は全然構わない。やはり提供しているものそのものが「便利である」ことが本質であるわけですね。

ベビージョブは、もともと保育所の運営から保育士の求人・転職サイトの運営をされているようで、保育士の現場を見ているからこそのサービスなのだと思います。


ベビカルは、ベビーカーのレンタルサービスで、JR東日本と西武ホールディングスが展開しているもの。
まずは西武鉄道の駅に導入されたと先日新聞報道で目にしました。

商業施設でのベビーカーレンタルは従来からあったけど、施設内に限定したものだった。それを駅を拠点に貸し出しすることで、駅の利用、駅を中心とした街の回遊につなげていこうという視点ですね。広義のMAASかな。
エキナカじゃないけど、人々が日常的に利用する駅を軸にしたサービスっていうのは、まだまだ広がりそうですね。


子供向けのサブスクは、こちらのサイト(https://www.kitalog634.com/entry/childcare-subscription)でも紹介されていますが、離乳食やらベビー用品やらと広がりを見せているようです。

考えてみれば、育児って、大概の場合、誰もが初心者なんですよね。それで初心者のままで没入しているうちに子供たちはぐんぐん大きくなってステージが変わっていく。幼稚園、小学校、中学校、・・その都度必要なものって変わるので、学ばなければいけないことも変わっていく。

共働きが当たり前の世の中、そういった情報収集に費やせる時間も、たぶんかつてよりはずいぶん減っているんでしょう。そういう中でサブスクには、学びを省力出来るという利便性もあるのかもしれませんね。

ひざの上で赤ちゃんを抱く父親のイラスト

デジトレ診断の紹介動画をパワーポイントで作ってみました

デジトレ診断の紹介動画を作成しました。
こちら、実はパワーポイントなどなどで作ってみたもの。

 

■こんな感じでパワポでパラパラ漫画じゃないですけどページを作成

 

■ページの切替とかは「画面切り替え」タブとか「アニメーション」タブで適度に設定

 

■BGMはこちらで

FREE BGM DOVA-SYNDROME https://dova-s.jp/

 

■ナレーションもつけられるんです

すごいですよね、文字入力すると読み上げてくれる
ちょっとしたコツも必要です 「AI」より「エーアイ」の方が確実に読み上げてくれたりします
クレジット表記して利用させていただいています。

音読さん https://ondoku3.com/ja/

 

■デジトレ診断をスマホで操作している動画

これはもっときれいに撮りたいところですが、自撮りで撮影したもの

・トリミングはパワポでもできました(画像のトリミングと同じようにサイズ範囲をトリミングできますし、長さのトリミングも可能です)

・速度を倍速化していますが、これはパワポではできなかったのでこちらを利用
 https://www.media.io/jp/change-video-speed.html

 

■動画生成

 パワポであれこれ設定してスライドショーで何度も確認した上で、「ファイル>エクスポート>ビデオの作成」で完成です!

解説シートの提供を開始しました。

デジトレ診断をさらに有効にご活用いただけるよう、本日2021年10月1日より、あらたに「解説シート」のご提供を開始しました。

解説シート(下図サンプル)は、デジトレ診断の設問番号一つに対して一枚ご用意しております。
「目指そう」「まずやろう」「デジタルは、こう活かす!」の3つの視点で、その設問に取り組む方法を解説しています。

100問のデジトレ診断を実施いただき、自社にとって伸ばしたいデジタルを見つけ出した後、実際に次の一歩を踏み出すためのきっかけとしてご活用いただければと思います。

解説シートは、デジトレ診断の回答後のページでダウンロードできるようにしております。

長野県下18商工会議所と連携した取り組みをスタート

合同会社デジトレは、日本商工会議所、長野県商工会議所連合会、長野県下の18商工会議所、特定非営利活動法人長野県ITコーディネータ協議会、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会、一般社団法人Work Design Lab(ワークデザインラボ)と連携して実施する、中小企業のデジタル化支援強化に向けたトライアル事業にご協力させていただきます。

このトライアル事業では、長野県下18の商工会議所の職員の皆様にデジトレ診断をご活用いただきます。
中小企業からのデジタル化に関する相談対応時に、当該企業のデジタル活用度を簡単に診断できるツールであるデジトレ診断を実施することで、デジタル化の課題を素早く把握し、各専門家とスムーズに連動することを実証するものです。

中小企業がデジタル化に取り組むまさにその入口で、立ち止まり、悩み逡巡する時間をどこまで減らせるか、デジトレ診断がどこまでお役に立てるか、職員の皆様への情報発信やセミナー実施も組み合わせて、万全の体制で本事業に取り組ませていただきます。

トライアル事業の詳細は、日本商工会議所の発表資料をご覧ください。https://www.jcci.or.jp/it/2021/0930235526.html

説明を受けるカップルのイラスト

デジトレ診断のバージョンアップを順次行っています。

全ユーザーの平均点がスコアシートに反映されます。他社と比べてどのような デジタル活用度なのかを確認できます。(2021年9月1日リリース済)

デジタル5つの活かし方をスコアシートでより詳しく解説します。

デジトレ診断の結果を見て、最も伸ばしたいと感じた設問の解説シートを入手できるようになります。

・目指したい姿

・まずやりたいこと

・デジタルの活かし方

デジトレ診断を活用した研修 やまぐち産業振興財団様

デジトレ診断を活用した研修例のご紹介です。
2021年9月10日にやまぐち産業振興財団様にて実施した研修スライドをご紹介します。

主な演習の流れは次の通りです。

1.デジトレ診断によりデジタル活用度を自己診断する
2.経営課題整理シートにより自社のこれまでとありたい姿、取り組むべき課題を整理する
3.経営課題整理シートとデジトレ診断結果を参考に、伸ばしたいデジタル選抜シートにより、取り組むべきデジタル活用テーマを選ぶ
4.デジタル化DMMによって、選択したテーマを具体的にどのように改善したいのかを具体化する
5.全体をデジタル化マップで整理して、社員に説明できるようにする

もちろん、短時間の演習なので、完璧に書けなくてもいいんです。
「ああ、こういう視点で整理していくのか」を体感いただくのが狙い。

今回はオンラインで実施した1日コースでしたので、作成方法をざっとご説明した後は、zoomのブレイクアウトルームで各社ごとにフォローさせていただく運営としました。
書けるところ、書けないところ、書けるけど曖昧なところ、具体的に書いたけど経営課題とデジタル活用がリンクしていないところ、などなど、文章化してみると、思考の整理が必要な箇所が浮かび上がります。

それにしても企業様それぞれで直面している課題、解決の方向性がほんとうに千差万別だなー、と、あらためて実感した1日でした。

お疲れさまでした!